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by yuna-sos-0305
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DAWN~夜明け~



scene 2


交わされた約束





「・・・・・・・・」

「・・・・だから・・そんな顔しても無理だから!」
「そんな事言わないでよ~、お願いっ!!」
「あのね、俺明け方まで仕事でさっき帰ってきたばかりなの。で夜からまた仕事なの。
相談ならまた今度乗るから、今は寝かせてっ!!」


そう言って 瞬時に布団に潜り込んだ安岡の姿を紫穂梨は恨めしく見つめながら
ポツリと呟いた。

「・・・・・・優の意地悪・・・・・・」



溜息を1つついて、その場から立ち上がろうとした 次の瞬間だった



「・・・・・センセならさ・・・・・・」


その声が 耳元を掠めた。


「・・・・センセなら、きっと何着て行ったって、可愛いって言ってくれるんじゃない・・・」
「・・・・優・・・・・」


突然の安岡の言葉に驚きながらも、紫穂梨は 優の優しさを感じながら 感謝の言葉を紡いだ。

「・・・・・ありがとう・・・・・優・・・・・・・」


「じゃあね!俺、マジで寝るから。おやすみっ!」


そう言って 安岡は再び 布団の中へと潜り込んだ。 


そんな姿を見つめながら 紫穂梨は もう1度 感謝の言葉をそっと呟いた。

「・・・・ありがと・・・・・・」















「・・・ごめんね、急に買い物なんて付き合わせちゃって。」



運ばれてきたアイスティーを啜りながら そう言って 
紫穂梨は向かいの席に座っている透子に手を合わせた。



「・・・ううん、私も最近買い物とか行ってなかったし、良い気分転換になったわ。」
「・・・・透子のおかげで良い買い物ができたよ。自分1人だったら 絶対に迷って決められなかったと思うし(笑)」


早朝に安岡のマンションを出てから 思い付きで 友達の透子にメールをして

買い物に付き合ってほしいと頼んだところ、思いの外、あっさりとOKの返事を貰えた事で

紫穂梨は透子と共に恵比寿の街にいた。


「でも、新しい服買ったからには何かあるんでしょ(笑)?」


「・・・陽ちゃんが今度、就職祝いしてくれるって。
・・・・だから、その時に着て行こうと思って・・・・」

自分の問いに そう言って はにかみながら けれど嬉しそうに
笑顔を浮かべる紫穂梨を透子は優しく見つめながら言った。




「・・陽ちゃんって、安岡さんと同じグループの人・・・?」

「・・うん。」

「・・・もう出逢って6年ぐらいになるんだけど、逢う度に魅力を感じるんだよね・・・」

「・・・そんなに素敵な人なんだ」

「・・・うん・・・・」



透子の言葉に 紫穂梨が頷いた 次の瞬間



「おまたせいたしました」



注文したパスタが店員によって運ばれてきた。












「・・・良かったわね」


そう言って 笑顔を浮かべる 透子に優しさを感じて、

紫穂梨はそっと微笑んだ。





「・・・うん、ありがとう。」





「・・・感想楽しみにしてるから。」

「頑張ります(笑)」





穏やかな時間がそこには流れていた。

迫りくる、北山との約束の日に 心を躍らせながら

紫穂梨はアイスティーを啜った。

























レコーディングルームで ふと視線を感じて 後ろを振り向けば



そこには安岡の姿があった。





「・・・・ヤス。」





「・・・紫穂梨から訊いた。就職祝してくれるんだって?」



ゆっくりとソファーに腰を下ろしながら 安岡は北山を見つめながら言った。



「・・・あぁ、うん。 たまには食事でも連れてってあげたいなって思ってたんだけど、なかなか機会も

なかったし 就活頑張ってたの見てたからさ、だからちょっとでもお祝いしてあげたいなって思ってね」





「・・・そっか・・。」





ポツリと呟いた安岡に 北山は安岡を見つめながら言った。





「・・・もしかして俺、誘ったら・・マズかった?」



「・・・・そんな事ないよ。6年前に紹介してから、センセ 紫穂梨のことずっと可愛がってくれてるし、俺も嬉しいなって。就職祝いの件だって、紫穂梨、メチャクチャ喜んでたしさ。」



「そっか、それなら良かった。」



安岡の言葉に 安渡の表情で微笑んだ北山に 安岡はゆっくりと言葉を紡いだ。





「・・・これからも大切にしてあげてよね、紫穂梨のこと。」





その安岡の言葉に 楽譜を捲っていた手を止めると



「・・・勿論。」



そう言って 柔らかく微笑んだ。





この後、北山の言葉が予想外に覆されていく事など 安岡も そして北山自身も想像していなかった。























 
# by yuna-sos-0305 | 2015-04-13 00:48 | 小説

DAWN~夜明け~









scene 1




恋に落ちて



















気付いた時には 恋に落ちていた。



その恋は私の世界を180度変えた。

































長年の幼馴染だった 優から彼を紹介されたのは6年前



高校2年の時だった。





『俺の幼馴染の 紫穂梨。 仲良くしてあげてね』





『初めまして。 雨宮紫穂梨です、北山さんの事はずっと優から訊いてました。

 お会いできて嬉しいです。』



『初めまして、北山陽一です。 こちらこそお会いできて幸いです。』









これが私と彼の出逢いだった。



北山陽一。



優と共にゴスペラーズとして活躍している彼は 本当に優しくてただ傍にいるだけで 幸せを感じた。





男女関係なく 自分に関わった全ての人を魅了される 確かな華を 彼は持っていた。

















「・・・うん、美味しい。また、腕上げたんじゃない?」



そう言ってみんなの為に作ってきた、手作りのチーズケーキを口にすると 陽一は柔らかく微笑んだ。



「・・・陽ちゃんにそう言って貰えると、お世辞でも嬉しいな」



彼の優しい言葉に 素直に嬉しさを感じながら



カップに残った、アールグレイをそっと啜る。 





この日、珍しく、事務所には陽一しかいなくて 



2人だけの時間を過ごしていた。



「・・・みんな遅いね」



ポツリとそう呟けば



「・・そうだね、でも もうじき帰ってくると思うよ?」



小さく微笑んで 陽一はまたテーブルの上に置かれた楽譜を捲った。





彼と過ごす 時間が好きだった。

特別な事をする訳でもなく、ただ ゆったりと流れる何物にも代える事のできないこの一時は

私の宝物だった。





「・・・・そういえば就職、決まったんだっけ?」



ふと 楽譜から顔を上げて 陽一が訊ねてくる。



「・・あ、うん。お陰様で4月から社会人1年生です(笑)」





そう言って 彼に笑顔を向ければ



「・・・・じゃあ、お祝いしなくちゃね」



ゆったりと微笑む彼。





「・・・・・え・・・?」



彼の言葉に 首を傾げれば



「・・・再来週の土曜日、予定・・・ある?

良かったら紫穂梨の就職祝い一緒にしよっか・・・?」





そう言って 陽一は  出逢った時と同じように



柔らかで 甘い  その笑顔を浮かべた。
# by yuna-sos-0305 | 2015-04-08 19:03 | 小説

この夜に・・・





幸せの度合いは 人 それぞれ違うけれど





私を 幸せに してくれるもの









それは・・・・・・


















疲れていたハズなのに



ふと目が覚めた。



時間を確認したかったけれど、  体勢的に無理と感じて  諦めて  ぼんやりと思考を巡らせる。







優しく 腹部に回された両腕。











安らかな寝息。











身体全体に感じる、その重み。







約束なんて何もしてなかったのに











「久しぶりに早く上がれてさ。」




そう言って、爽やかな笑顔を浮かべて ドアの向こうに現れた。



















私なんかより、毎日多忙を極めているハズなのに



優しい笑顔も




さり気ない 気遣いも   いつもと変わらない彼をすごいと思った。













久しぶりに 2人で過ごす夜。




何度目かのキスの後、優しく髪を撫でながら    彼はそっと呟いた。




「今日、紗雪ん家、泊まってもいい?」









あんな優しい笑顔で微笑まれて、断れる訳なんてなかった。















小さく  いいよ、と呟いて そっとその胸に身を委ねた。












ふと、気がつけば  背後の彼が 動いたような気がした。





「・・・・・・紗雪・・・・・?」






「・・・・・・・あ、ごめん。起こしちゃった?」








「ううん、俺は大丈夫。・・・・・・・・紗雪、眠れない?」







そう言って、 腹部に回されていた腕を、再度絡めながら





彼が囁く。












「・・・・うん・・・・ちょっと・・・」






そう言って 頷けば













「紗雪。こっち向いてよ、顔見たい。」










艶っぽい声で囁かれて、   首筋にキスをされる。












「・・・・・・・・・・うん。」














ゆっくりと寝返りを打てば    その真っ直ぐな瞳とぶつかった。










「・・・・・・・・眠れない・・・・?」








優しく囁いて、 髪を撫でてくる彼。
















「・・・・・ちょっとね・・・・・・。」








小さく呟いて、彼を見つめる。









「じゃあ・・・・」







彼が呟いた 次の瞬間












私は彼の腕の中にすっぽりと   包まれていた。















「・・・・・眠れるまで、ずっと・・・抱きしめててやるからさ・・・・」









そう言って  その腕でギュッと  私の身体を抱き寄せた。










「・・・・・ちょっと暑いけどね」
「・・・おぃ、こら。そこはありがとうだろ(笑)?」





ったく、しょうがねぇ~な と  小さく笑いながら
小さな子供をあやすように ポンポンと私の背中を叩いた。






真っ直ぐなその瞳に  ふいに 引き込まれそうになる。
そして少しずつ 柔らかな眠気に引き込まれていく感覚をふと覚えた。




「おっ・・・さっそく効果アリかな(笑)?」






耳元で   彼が小さく笑いながら 呟くのが聞こえたけれど

もうその言葉に 応える力は残っていなかった。
















普通の恋人同士より、逢える時間は少ないかもしれない。







彼が何万人ものファンを持つアイドルということも
自分の中では 密かな枷となっているのも また事実だ。







でも  それよりも なによりも
たとえ短い時間でも、お互いを感じられるこの一時が
何よりも幸せだから








少しはにかんだ、それでいて2人きりの時にしか見せない甘い表情や



掠れ気味な声で名前を呼ばれる瞬間






そして何より  ゾクッとする程、真剣な眼差しで








「・・・・・・・・・愛してる」







そう囁く









その一瞬が















私にしか見せない











ブラウン管では見ることのできない    














素顔の彼が










素顔を見せてくれる











かけがえの無い   2人だけの時間が












何よりも愛しくて大切だから・・・・




















静かに眠りに落ちていった 彼女を見つめながら
そっと その頬に口付けて 甘く囁いた。





「・・・・・・・・おやすみ・・・・・・・・・・・・・・」












あなたとこうしてまた1つ 夜を越えられることに
心からの感謝を。















そして   朝、目覚めたときには











「おはよう」








そう言って 微笑む








あの輝くような 笑顔がまた見れますように・・・・


















「な~に幸せそうな夢見てんだか(笑)」




















大好きよ・・・・翔。














共に夜を越えるふたりの想いは 今、 溶け合って 愛になる。
# by yuna-sos-0305 | 2010-07-02 20:23 | 小説



夢_c0042410_209196.jpg




あなたがいるから 生きてこれた

あなたがいるから 生きていける













出逢いは 数年前。





なじみのBarだった。
けれど、今、自分の隣に、寄り添う彼女はいない。
時間は時として 無常にも愛する者達の心さえも変えていく。
それは仕方のない事かもしれない。



薄暗い階段を降りて、男の俺でも少し重いと感じる
鉄製の扉をゆっくりと開ければ





「あれ?てつや君。久しぶり。」


そう言って 笑顔でマスターが迎えてくれた。








「どうしたの今日は?」


席に腰を下ろすと、マスターは洗われたグラスを磨きながら訊ねてきた。

「・・・・いや、ちょっと飲みたくて。」

そう笑いながら 呟けば


「・・・・まぁ、そういう時もあるよな。いつものでいいか?」
「・・・・はい。」








「・・・そういえば、最近逢ってるのか?」
「・・・え?」
「紗雪ちゃん。この頃、姿見えないからさ。 お前達、一時期仲良かっただろ。」
「あ~ そういや そうっすね。・・・・最近は全然連絡取ってないから俺もよく分からなくて・・・」


そう 呟いて

口にしたスコッチはいつもより 苦い味がした。












紗雪。





・・・・・それは 最愛の彼女の名前。





狂おしいほどに   愛してた       










 いや、 過去形じゃない。












今も 愛している。

愛しい彼女の名前。









数年前の出来事とは言え










全てを 過去形にして  語れるほど







俺は大人じゃない。















運命のイタズラで 俺達は出逢ってしまった。













その柔らかな頬に触れる時も






優しく 口付けあう時も





抱き合う時も 














彼女の白い指には    他の男と永遠の愛を誓った証を示す









エンゲージリングが   輝いていたから












それでもいいと思っていた。




彼女が他の男のものでも





彼女と過ごす 2人きりの時間に






他愛無い 会話の中に








囁かれる愛の言葉に










これほどにないまでに  癒されていたのは紛れも無い事実だから。














「・・・・てつ?」
「・・ん?」
「もう時間じゃないの?・・大丈夫?」
「・・・・あ~・・・もうそんな時間かよ・・・・・。」
「・・・・何、子どもみたいな顔してるの(笑)」
「....無常だなぁ・・と思ってよ・・・。」
「・・・・・本当、そういうとこ正直よね(笑)・・・・でも・・・時間って限りがあるから、
大切なんじゃない?限られてるからこそ、一緒に居る時間を1分1秒でも
大切にしたいって思うんじゃないかな・・・?」
「・・・・・・・・・てつ・・・?」
「・・・・・・・これだから、男ってやつは、女には勝てねぇんだよなぁ・・・・(笑)」
「・・・・・・バカ(笑)」
「バカで結構(笑)」
「・・・・紗雪?」
「・・・・ん?」



「・・・・・・・・・愛してる・・・・・・・・・・・・・。」










愛してる、と言った俺に ふんわりと優しく微笑んだ  








その甘い   微笑みが   今でも忘れらない。











甘く名前を呼ぶ時の








その    声が    
















2人で居る時の   全てを赦したような   眼差しが














彼女を彩る   その全てが   













今でも俺の心を     俺自身を支配し続ける。















数年たった今でも






俺は彼女を忘れられないでいる










その事実に小さく笑いながら、







ポツリと呟いた。











「・・・・・・・・・バカだよなぁ・・・・・・・本当に・・・・・・・・・・。」










気がつけば、グラスの中の氷は溶けきっていた。       













俺は何を待っているのだろうか。







俺は何を期待しているのだろうか












彼女を忘れることもできず、












他の女性を愛することも できない。


















俺は・・・・・・・・・・


















愚かだ。























「・・・・・・・っと・・・・なにやってんだか・・・・・・・。」


















気づけば   頬に     涙が伝い落ちていた。











その瞬間   脳裏に



















彼女の優しい   微笑みが 蘇っていた。























俺は、   彼女を忘れることが できない。


















理由はただ1つ。
















彼女が俺の前から  姿を消した今でも











  彼女を愛しているから。












 人が愚かというなら   それでいい。
















行き場の無い   この想いに







名前をつけることができなくても











きっと この想いは     俺の中で      
















永遠の物だから。












そして  今日も










彼女に届くことのない、この想いは
















俺の中で    加速していく。 






























お前の中にいる  俺を   想い出にしないで・・・・・・
# by yuna-sos-0305 | 2010-06-30 20:10 | 小説

見事に・・・・。



予想通り、と言えばそれまでなんだけど・・・



見事に惨敗しました・・・・北山さんのソロライブの電話予約。というか一般発売。




予定枚数は終了して、現在はキャンセル待ちの 電話予約のみ受付中とのこと。


だけど、そのキャンセル待ちの電話さえ繋がらず・・・・。




どれほど、競争率が高かったかの証拠ですよね。


まぁ、会場自体があまり広くないし、どちらかと言えばライブだけを楽しむと言うより
食事などをしながら、ゆったりとステージを楽しむ感じの会場だから
仕方がないと言えば仕方がないんだけれど・・・・
FC優先も、モバイルでの優先も 一般発売も惨敗・・・・・・・。


これだから、フラストレーション溜まるんだよなぁ・・・ゴスの優先って。
一昨年の赤坂プリッツでのライブや、新宿シアターアプルでの最後のライブなど
プレミア感のある、ライブには全く行けた事ないし・・・・・
まぁ、行きたかったっていうライブは殆ど東京での公演だから、激戦なのは
仕方がないと言えばそれまでなんだけど・・・・


まぁ、自分はゴスに対して、あまり運はないのは確かなようです(苦笑)










今年、生ゴスを見れるのは夏以降かな・・・・・。
# by yuna-sos-0305 | 2010-03-20 17:34 | ゴスペラーズ