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DAWN~夜明け~



scene 2


交わされた約束





「・・・・・・・・」

「・・・・だから・・そんな顔しても無理だから!」
「そんな事言わないでよ~、お願いっ!!」
「あのね、俺明け方まで仕事でさっき帰ってきたばかりなの。で夜からまた仕事なの。
相談ならまた今度乗るから、今は寝かせてっ!!」


そう言って 瞬時に布団に潜り込んだ安岡の姿を紫穂梨は恨めしく見つめながら
ポツリと呟いた。

「・・・・・・優の意地悪・・・・・・」



溜息を1つついて、その場から立ち上がろうとした 次の瞬間だった



「・・・・・センセならさ・・・・・・」


その声が 耳元を掠めた。


「・・・・センセなら、きっと何着て行ったって、可愛いって言ってくれるんじゃない・・・」
「・・・・優・・・・・」


突然の安岡の言葉に驚きながらも、紫穂梨は 優の優しさを感じながら 感謝の言葉を紡いだ。

「・・・・・ありがとう・・・・・優・・・・・・・」


「じゃあね!俺、マジで寝るから。おやすみっ!」


そう言って 安岡は再び 布団の中へと潜り込んだ。 


そんな姿を見つめながら 紫穂梨は もう1度 感謝の言葉をそっと呟いた。

「・・・・ありがと・・・・・・」















「・・・ごめんね、急に買い物なんて付き合わせちゃって。」



運ばれてきたアイスティーを啜りながら そう言って 
紫穂梨は向かいの席に座っている透子に手を合わせた。



「・・・ううん、私も最近買い物とか行ってなかったし、良い気分転換になったわ。」
「・・・・透子のおかげで良い買い物ができたよ。自分1人だったら 絶対に迷って決められなかったと思うし(笑)」


早朝に安岡のマンションを出てから 思い付きで 友達の透子にメールをして

買い物に付き合ってほしいと頼んだところ、思いの外、あっさりとOKの返事を貰えた事で

紫穂梨は透子と共に恵比寿の街にいた。


「でも、新しい服買ったからには何かあるんでしょ(笑)?」


「・・・陽ちゃんが今度、就職祝いしてくれるって。
・・・・だから、その時に着て行こうと思って・・・・」

自分の問いに そう言って はにかみながら けれど嬉しそうに
笑顔を浮かべる紫穂梨を透子は優しく見つめながら言った。




「・・陽ちゃんって、安岡さんと同じグループの人・・・?」

「・・うん。」

「・・・もう出逢って6年ぐらいになるんだけど、逢う度に魅力を感じるんだよね・・・」

「・・・そんなに素敵な人なんだ」

「・・・うん・・・・」



透子の言葉に 紫穂梨が頷いた 次の瞬間



「おまたせいたしました」



注文したパスタが店員によって運ばれてきた。












「・・・良かったわね」


そう言って 笑顔を浮かべる 透子に優しさを感じて、

紫穂梨はそっと微笑んだ。





「・・・うん、ありがとう。」





「・・・感想楽しみにしてるから。」

「頑張ります(笑)」





穏やかな時間がそこには流れていた。

迫りくる、北山との約束の日に 心を躍らせながら

紫穂梨はアイスティーを啜った。

























レコーディングルームで ふと視線を感じて 後ろを振り向けば



そこには安岡の姿があった。





「・・・・ヤス。」





「・・・紫穂梨から訊いた。就職祝してくれるんだって?」



ゆっくりとソファーに腰を下ろしながら 安岡は北山を見つめながら言った。



「・・・あぁ、うん。 たまには食事でも連れてってあげたいなって思ってたんだけど、なかなか機会も

なかったし 就活頑張ってたの見てたからさ、だからちょっとでもお祝いしてあげたいなって思ってね」





「・・・そっか・・。」





ポツリと呟いた安岡に 北山は安岡を見つめながら言った。





「・・・もしかして俺、誘ったら・・マズかった?」



「・・・・そんな事ないよ。6年前に紹介してから、センセ 紫穂梨のことずっと可愛がってくれてるし、俺も嬉しいなって。就職祝いの件だって、紫穂梨、メチャクチャ喜んでたしさ。」



「そっか、それなら良かった。」



安岡の言葉に 安渡の表情で微笑んだ北山に 安岡はゆっくりと言葉を紡いだ。





「・・・これからも大切にしてあげてよね、紫穂梨のこと。」





その安岡の言葉に 楽譜を捲っていた手を止めると



「・・・勿論。」



そう言って 柔らかく微笑んだ。





この後、北山の言葉が予想外に覆されていく事など 安岡も そして北山自身も想像していなかった。























 
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# by yuna-sos-0305 | 2015-04-13 00:48 | 小説

DAWN~夜明け~









scene 1




恋に落ちて



















気付いた時には 恋に落ちていた。



その恋は私の世界を180度変えた。

































長年の幼馴染だった 優から彼を紹介されたのは6年前



高校2年の時だった。





『俺の幼馴染の 紫穂梨。 仲良くしてあげてね』





『初めまして。 雨宮紫穂梨です、北山さんの事はずっと優から訊いてました。

 お会いできて嬉しいです。』



『初めまして、北山陽一です。 こちらこそお会いできて幸いです。』









これが私と彼の出逢いだった。



北山陽一。



優と共にゴスペラーズとして活躍している彼は 本当に優しくてただ傍にいるだけで 幸せを感じた。





男女関係なく 自分に関わった全ての人を魅了される 確かな華を 彼は持っていた。

















「・・・うん、美味しい。また、腕上げたんじゃない?」



そう言ってみんなの為に作ってきた、手作りのチーズケーキを口にすると 陽一は柔らかく微笑んだ。



「・・・陽ちゃんにそう言って貰えると、お世辞でも嬉しいな」



彼の優しい言葉に 素直に嬉しさを感じながら



カップに残った、アールグレイをそっと啜る。 





この日、珍しく、事務所には陽一しかいなくて 



2人だけの時間を過ごしていた。



「・・・みんな遅いね」



ポツリとそう呟けば



「・・そうだね、でも もうじき帰ってくると思うよ?」



小さく微笑んで 陽一はまたテーブルの上に置かれた楽譜を捲った。





彼と過ごす 時間が好きだった。

特別な事をする訳でもなく、ただ ゆったりと流れる何物にも代える事のできないこの一時は

私の宝物だった。





「・・・・そういえば就職、決まったんだっけ?」



ふと 楽譜から顔を上げて 陽一が訊ねてくる。



「・・あ、うん。お陰様で4月から社会人1年生です(笑)」





そう言って 彼に笑顔を向ければ



「・・・・じゃあ、お祝いしなくちゃね」



ゆったりと微笑む彼。





「・・・・・え・・・?」



彼の言葉に 首を傾げれば



「・・・再来週の土曜日、予定・・・ある?

良かったら紫穂梨の就職祝い一緒にしよっか・・・?」





そう言って 陽一は  出逢った時と同じように



柔らかで 甘い  その笑顔を浮かべた。
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# by yuna-sos-0305 | 2015-04-08 19:03 | 小説

この夜に・・・





幸せの度合いは 人 それぞれ違うけれど





私を 幸せに してくれるもの









それは・・・・・・


















疲れていたハズなのに



ふと目が覚めた。



時間を確認したかったけれど、  体勢的に無理と感じて  諦めて  ぼんやりと思考を巡らせる。







優しく 腹部に回された両腕。











安らかな寝息。











身体全体に感じる、その重み。







約束なんて何もしてなかったのに











「久しぶりに早く上がれてさ。」




そう言って、爽やかな笑顔を浮かべて ドアの向こうに現れた。



















私なんかより、毎日多忙を極めているハズなのに



優しい笑顔も




さり気ない 気遣いも   いつもと変わらない彼をすごいと思った。













久しぶりに 2人で過ごす夜。




何度目かのキスの後、優しく髪を撫でながら    彼はそっと呟いた。




「今日、紗雪ん家、泊まってもいい?」









あんな優しい笑顔で微笑まれて、断れる訳なんてなかった。















小さく  いいよ、と呟いて そっとその胸に身を委ねた。












ふと、気がつけば  背後の彼が 動いたような気がした。





「・・・・・・紗雪・・・・・?」






「・・・・・・・あ、ごめん。起こしちゃった?」








「ううん、俺は大丈夫。・・・・・・・・紗雪、眠れない?」







そう言って、 腹部に回されていた腕を、再度絡めながら





彼が囁く。












「・・・・うん・・・・ちょっと・・・」






そう言って 頷けば













「紗雪。こっち向いてよ、顔見たい。」










艶っぽい声で囁かれて、   首筋にキスをされる。












「・・・・・・・・・・うん。」














ゆっくりと寝返りを打てば    その真っ直ぐな瞳とぶつかった。










「・・・・・・・・眠れない・・・・?」








優しく囁いて、 髪を撫でてくる彼。
















「・・・・・ちょっとね・・・・・・。」








小さく呟いて、彼を見つめる。









「じゃあ・・・・」







彼が呟いた 次の瞬間












私は彼の腕の中にすっぽりと   包まれていた。















「・・・・・眠れるまで、ずっと・・・抱きしめててやるからさ・・・・」









そう言って  その腕でギュッと  私の身体を抱き寄せた。










「・・・・・ちょっと暑いけどね」
「・・・おぃ、こら。そこはありがとうだろ(笑)?」





ったく、しょうがねぇ~な と  小さく笑いながら
小さな子供をあやすように ポンポンと私の背中を叩いた。






真っ直ぐなその瞳に  ふいに 引き込まれそうになる。
そして少しずつ 柔らかな眠気に引き込まれていく感覚をふと覚えた。




「おっ・・・さっそく効果アリかな(笑)?」






耳元で   彼が小さく笑いながら 呟くのが聞こえたけれど

もうその言葉に 応える力は残っていなかった。
















普通の恋人同士より、逢える時間は少ないかもしれない。







彼が何万人ものファンを持つアイドルということも
自分の中では 密かな枷となっているのも また事実だ。







でも  それよりも なによりも
たとえ短い時間でも、お互いを感じられるこの一時が
何よりも幸せだから








少しはにかんだ、それでいて2人きりの時にしか見せない甘い表情や



掠れ気味な声で名前を呼ばれる瞬間






そして何より  ゾクッとする程、真剣な眼差しで








「・・・・・・・・・愛してる」







そう囁く









その一瞬が















私にしか見せない











ブラウン管では見ることのできない    














素顔の彼が










素顔を見せてくれる











かけがえの無い   2人だけの時間が












何よりも愛しくて大切だから・・・・




















静かに眠りに落ちていった 彼女を見つめながら
そっと その頬に口付けて 甘く囁いた。





「・・・・・・・・おやすみ・・・・・・・・・・・・・・」












あなたとこうしてまた1つ 夜を越えられることに
心からの感謝を。















そして   朝、目覚めたときには











「おはよう」








そう言って 微笑む








あの輝くような 笑顔がまた見れますように・・・・


















「な~に幸せそうな夢見てんだか(笑)」




















大好きよ・・・・翔。














共に夜を越えるふたりの想いは 今、 溶け合って 愛になる。
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# by yuna-sos-0305 | 2010-07-02 20:23 | 小説



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あなたがいるから 生きてこれた

あなたがいるから 生きていける













出逢いは 数年前。





なじみのBarだった。
けれど、今、自分の隣に、寄り添う彼女はいない。
時間は時として 無常にも愛する者達の心さえも変えていく。
それは仕方のない事かもしれない。



薄暗い階段を降りて、男の俺でも少し重いと感じる
鉄製の扉をゆっくりと開ければ





「あれ?てつや君。久しぶり。」


そう言って 笑顔でマスターが迎えてくれた。








「どうしたの今日は?」


席に腰を下ろすと、マスターは洗われたグラスを磨きながら訊ねてきた。

「・・・・いや、ちょっと飲みたくて。」

そう笑いながら 呟けば


「・・・・まぁ、そういう時もあるよな。いつものでいいか?」
「・・・・はい。」








「・・・そういえば、最近逢ってるのか?」
「・・・え?」
「紗雪ちゃん。この頃、姿見えないからさ。 お前達、一時期仲良かっただろ。」
「あ~ そういや そうっすね。・・・・最近は全然連絡取ってないから俺もよく分からなくて・・・」


そう 呟いて

口にしたスコッチはいつもより 苦い味がした。












紗雪。





・・・・・それは 最愛の彼女の名前。





狂おしいほどに   愛してた       










 いや、 過去形じゃない。












今も 愛している。

愛しい彼女の名前。









数年前の出来事とは言え










全てを 過去形にして  語れるほど







俺は大人じゃない。















運命のイタズラで 俺達は出逢ってしまった。













その柔らかな頬に触れる時も






優しく 口付けあう時も





抱き合う時も 














彼女の白い指には    他の男と永遠の愛を誓った証を示す









エンゲージリングが   輝いていたから












それでもいいと思っていた。




彼女が他の男のものでも





彼女と過ごす 2人きりの時間に






他愛無い 会話の中に








囁かれる愛の言葉に










これほどにないまでに  癒されていたのは紛れも無い事実だから。














「・・・・てつ?」
「・・ん?」
「もう時間じゃないの?・・大丈夫?」
「・・・・あ~・・・もうそんな時間かよ・・・・・。」
「・・・・何、子どもみたいな顔してるの(笑)」
「....無常だなぁ・・と思ってよ・・・。」
「・・・・・本当、そういうとこ正直よね(笑)・・・・でも・・・時間って限りがあるから、
大切なんじゃない?限られてるからこそ、一緒に居る時間を1分1秒でも
大切にしたいって思うんじゃないかな・・・?」
「・・・・・・・・・てつ・・・?」
「・・・・・・・これだから、男ってやつは、女には勝てねぇんだよなぁ・・・・(笑)」
「・・・・・・バカ(笑)」
「バカで結構(笑)」
「・・・・紗雪?」
「・・・・ん?」



「・・・・・・・・・愛してる・・・・・・・・・・・・・。」










愛してる、と言った俺に ふんわりと優しく微笑んだ  








その甘い   微笑みが   今でも忘れらない。











甘く名前を呼ぶ時の








その    声が    
















2人で居る時の   全てを赦したような   眼差しが














彼女を彩る   その全てが   













今でも俺の心を     俺自身を支配し続ける。















数年たった今でも






俺は彼女を忘れられないでいる










その事実に小さく笑いながら、







ポツリと呟いた。











「・・・・・・・・・バカだよなぁ・・・・・・・本当に・・・・・・・・・・。」










気がつけば、グラスの中の氷は溶けきっていた。       













俺は何を待っているのだろうか。







俺は何を期待しているのだろうか












彼女を忘れることもできず、












他の女性を愛することも できない。


















俺は・・・・・・・・・・


















愚かだ。























「・・・・・・・っと・・・・なにやってんだか・・・・・・・。」


















気づけば   頬に     涙が伝い落ちていた。











その瞬間   脳裏に



















彼女の優しい   微笑みが 蘇っていた。























俺は、   彼女を忘れることが できない。


















理由はただ1つ。
















彼女が俺の前から  姿を消した今でも











  彼女を愛しているから。












 人が愚かというなら   それでいい。
















行き場の無い   この想いに







名前をつけることができなくても











きっと この想いは     俺の中で      
















永遠の物だから。












そして  今日も










彼女に届くことのない、この想いは
















俺の中で    加速していく。 






























お前の中にいる  俺を   想い出にしないで・・・・・・
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# by yuna-sos-0305 | 2010-06-30 20:10 | 小説

見事に・・・・。



予想通り、と言えばそれまでなんだけど・・・



見事に惨敗しました・・・・北山さんのソロライブの電話予約。というか一般発売。




予定枚数は終了して、現在はキャンセル待ちの 電話予約のみ受付中とのこと。


だけど、そのキャンセル待ちの電話さえ繋がらず・・・・。




どれほど、競争率が高かったかの証拠ですよね。


まぁ、会場自体があまり広くないし、どちらかと言えばライブだけを楽しむと言うより
食事などをしながら、ゆったりとステージを楽しむ感じの会場だから
仕方がないと言えば仕方がないんだけれど・・・・
FC優先も、モバイルでの優先も 一般発売も惨敗・・・・・・・。


これだから、フラストレーション溜まるんだよなぁ・・・ゴスの優先って。
一昨年の赤坂プリッツでのライブや、新宿シアターアプルでの最後のライブなど
プレミア感のある、ライブには全く行けた事ないし・・・・・
まぁ、行きたかったっていうライブは殆ど東京での公演だから、激戦なのは
仕方がないと言えばそれまでなんだけど・・・・


まぁ、自分はゴスに対して、あまり運はないのは確かなようです(苦笑)










今年、生ゴスを見れるのは夏以降かな・・・・・。
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# by yuna-sos-0305 | 2010-03-20 17:34 | ゴスペラーズ

想い実らず・・



最近はCDから始まって、洋服、雑貨、DVD、本など ありとあらゆるものをネット通販で買うように
なったんですが、特に洋服を買うことが多い、あるファッション通販の雑誌で、一目惚れした
ボアガウンがあったんですね、色もデザインもすごく可愛くて。でも、買っても使うかな~?と思って
買うのを躊躇っていたら、完売してしまって。
買わなかったのを後悔したんですよね。で、もしまた同じのを扱ってくれたら買おうと決意してまして。

で、ガウンとは別のものを何日か前に注文して、それが火曜日に届いたんですが
その中に入ってた新しい号のマガジンに、買いそびれたガウンが載ってたんです!!
もう、今度こそ買うしかない!と思い携帯で注文しようと思ったら既に完売でした・・・・(涙)

確かにデザインも色も可愛いので、女の子なら好みそうな感じだな~と思っていたのですが
ここまで人気だとは・・・・。
でも、ここまで、人気ならもうちょっと販売数を増やしてくれればいいのにと思ったり・・・。


ネットで代わりになるような、ガウンを検索かけて探してみたんですが
これがなかなか見つからないんですよね~。
デザインも色も良くて、可愛いってやつが。
あと、個人的には冬にはたまらない、モコモコ感がいいな~と思ったんですが
このボアガウンのようにモコモコ感のある、ガウンはなかなか見つからず・・・。
次にまた取り扱ってくれるかは分かりませんが、想い実らずって感じです・・・。

不思議なもので、手に入れられないと余計欲しくなるんですよね(苦笑)

・・・・・・欲しかったなぁ・・・・(涙)

下が例のボアガウンです。
値段まで写っちゃって、ちょっと見にくいですが(笑)

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# by yuna-sos-0305 | 2010-01-07 20:26 | 日常

探しものはなんですか?



物を失くすと、自分は必ずこの、井上陽水さんの『夢の中へ』の歌詞を思い出します(笑)
でも、本当に不思議なもので、探せば探すほど、探し物って見つからないんですよね・・・。

【カバンの中もつくえの中も 探したけれど見つからないのに】


本当に昨日は部屋中探しまくったんですが、それでも見つからず・・・。
家の中で失くしたので、絶対に家の中にある筈なんですが・・・何故・・。


失くしたのは スタンドの給油カード。
免許を取った時から、現金ではなく、ずっとカード払いにしてて
ずっと使っていたのですが・・・・。

まぁ、再発行すれば済む話なんですが
なんかそれだと悔しいというか、気が済まなくて・・・・
どうにか見つけたいんですよね。


でも、どうして探してる時ほど、見つからないでしょう・・・不思議です。
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# by yuna-sos-0305 | 2009-12-30 13:25 | 日常

かけがえのない人。


Skoop On Somebody、KO-HEYさんの音楽活動休止が、
発表されてからもうすぐ1ヵ月。


時間が経てば、経つほど 
そのドラムを聴くことができて、あの笑顔に逢えた、大切さを改めて実感して
います。

今までライブに行けば当たり前のように、メンバー、3人が揃っていて
これからも、ずっと TAKEさん、KO-HEYさん、KO-ICHIROさんの3人で
『Skoop On Somebody』として音楽活動を続けていくのだろう、と思っていました。


驚く程、仲が良くて  ラジオ、テレビ、雑誌、そしてライブ。
どんな時でも、 いつでも3人の笑顔が そこにありました。



今、こうしてKO-HEYさんが、活動を休止して
TAKEさんとKO-ICHIROさんの2人になった今、そのかけがえのない
存在感を改めて痛感しています。






正直、KO-HEYさんのいない、SKOOPは、やっぱり寂しいです。




KO-HEYさんの存在って、こんなに大きかったんだ・・・・。






今回の件で、どんなに不変的に思えるものにも「絶対」はないんだなぁ・・と。









毎週聴いてた、ラジオもKO-HEYさんがいなくなって、これまで3人での番組だったのが、TAKEさん1人になり、・・かなり寂しかったり。。そう思うと毎週、ラジオでKO-HEYさんの声を聴けたのは、本当に幸せなことだったんだなぁ・・と。あの、KO-HEYさんの笑い声、大好きなんですよねぇ聴くだけで、幸せになれて、毎週ラジオを聴く度に笑ってました(笑)





・・・・・KO-HEYさん。










あ~。。。。ちょっぴり泣きそうです。








ぐすっ。



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# by yuna-sos-0305 | 2009-05-20 20:51 | blog

今年も・・・


今年も残すところ、僅かですねぇ。


他のサイトでもブログをやるようになったら
あきらかに手抜き状態になってしまって・・・反省(汗)


小説とかいろいろ書き上げたいなぁ・・・と思うんですが
なかなか手が回らず・・・・(汗)

なかなか更新もできませんが、
少しずつでも また更新していきたいと思っています。


皆様にとって、新しい年が
幸せなものでありますように・・・・。




ちなみに3月から公演予定の舞台・「ムサシ」のチケットが取れました♪
今回は共演が小栗旬さんということで、楽しみです。
久しぶりの生・藤原君 見てきます(笑)
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# by yuna-sos-0305 | 2008-12-31 15:19 | 日常

我が家の・・・・


我が家の姫、のぞみ。


気がつけば、私のベットは彼女に占有されてること多しです(笑)
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いろいろと手を焼くことも多いけど、安心しきった顔で眠っているのを見ると
まぁ、いいかぁ・・・と思ってしまいます。・・・・ハイ、親バカです(笑)
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# by yuna-sos-0305 | 2008-11-29 21:20 | 日常

毎日・・・


毎日、暑くて暑くて

除湿をかけた部屋で、軽く、3、4時間は昼寝をしてしまいます・・・
こんなんじゃ駄目だなぁ・・・って思っているんですが、どうしてもこのサイクルから
抜け出せず・・・・(汗)

寒いのが苦手なので、まだ暑い方がマシと思ってたんですが
こう毎日暑いと、暑くても寒くてもやっぱり嫌だなぁ・・・と(笑)

季節的には暖かい春と 1番過ごしやすい秋が良い季節なのかも。
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# by yuna-sos-0305 | 2008-08-07 21:58 | 日常

航海


大学を卒業して、もう幾度目かの同窓会。

ついこの前に思えた出来事も、もう3年以上経っているんだと思うと不思議な感覚を覚えた。

『・・・・Blue Moon・・・ここかな?』

今回の幹事である親友・雪乃の送ってくれた地図と目の前の看板を見比べると
ゆっくりと その扉を開けた。


『あっ、詩織!こっち、こっち。』

店の中に入ってきた私を素早く見つけた雪乃が 笑顔で大きく手を振る。

変わらない親友の姿に小さく笑いながら、仲間達が集うその輪の中へゆっくりと近づいていった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

『元気みたいで、良かった。いつ帰ってきたの?』
『・・・ん~1ヶ月前かな?』
『そっかぁ・・・。やっぱり日本はいいでしょ?それとも、もうあっちの方が気に入っちゃった(笑)?』
『そんなことないって。やっぱり日本人な訳だし、日本が一番だな~って(笑)』

互いの近況を報告しあいながら、冷たく冷えたビールを喉に流し込む。

『ねっ、そういえば、瀬戸君は?来てないの?』

そう言って、仲間達の輪の中に 彼の姿を探す。



私の言葉に それまで明るい表情だった雪乃の表情が曇り、

私から発せられた、その名前に気づいた 旧友達の様子が微かに変化していく。

ふと天井を仰いだり、深く溜息をついたり、こめかみを押さえたり・・・

そんな旧友達の様子を見ていた、雪乃がゆっくりと口を開いた。

『詩織・・・落ち着いて聞いてね?』

『・・・う・・うん・・・・・』

『・・・・詩織には話してなかったけど・・・実は瀬戸君、1年前に亡くなったの・・・・』


『・・・・・・・嘘・・・・・・』











それからの事はよく覚えていない。

気づくと、自分の部屋のベットに寝ていた。


たぶん、雪乃達がここまで運んでくれたのだろう。


その証拠に留守電を示す、バックに入ったまま携帯のランプが色鮮やかに点滅していた。





数時間前の  雪乃の言葉を思い出す。





『瀬戸君・・・・1年前に亡くなったの・・・・・・・・・






信じられなかった。


彼が亡くなったなんて   








悪い夢だと思いたかった。









今にでも 崩れ落ちそうな身体を ゆっくりと  


ベットから起こして




バックを掴むと



初夏の匂いが漂う、夜の街へ飛び出した。






マンションから大通りに出て、タクシーを捕まえると



その場所の名前を告げた。




『・・・・七里ヶ浜まで・・・・お願いします・・・・・・・・・』


『七里ヶ浜ですね』

確認するように 運転手がその名前を呟くと


ゆっくりとタクシーは 夜の街を走り出した。














『ありがとうございました』

そう言って、軽やかに走り去っていくタクシーをぼんやりと見送ると


夜の海へと ゆっくりと歩いていく。



さすがにハイヒールでは 砂浜は歩きづらくて

その感触を確かめるように  ハイヒールを脱ぎ、素足になると


静かに打ち寄せる 波打ち際に 近づく。





打ち寄せる波音の他には、何も  聞こえないほど


初夏の海は  とても静かで  穏やかだった。








・・・・・・詩織には言えなかったけど、詩織がアメリカに留学してすぐ・・・病気で・・・。悪性の癌で・・・病院にかかった時には既に他の場所にも転移してたの・・・・・




・・・・・私・・・詩織にも知らせようって言ったんだけど、瀬戸君“詩織には言わないでくれ”って・・・“俺のせいで、詩織の夢を壊したくないんだ”って・・・

瀬戸君、すごく詩織のこと気にしてた。“頑張ってるかな?あいつには才能があるから成功して欲しい”って・・・・・最後まで詩織のこと気にかけてた・・・・・・







・・・・・・・ゴメン・・・・・詩織・・・・・・ゴメンね・・・・・・









『っつ・・・・・・・一哉・・・・』




涙が頬を伝うと、


それまで抑えていた 想いが    




『・・・・・・・・・一哉・・・・・・』




自分の中で弾けた。




『・・・・・・一哉・・・・・一哉・・・・・・・・・・一哉!!!!!!!!!!』






名前を叫んでも



幾度叫んでも




もう彼は戻ってこない。





この世界にもう彼がいないと思うと



悔しくて




悲しくて



現実を目の前に叩きつけられたような気がして


それがなお  辛かった。







その笑顔





その眼差し





その声。




彼を彩る   全てが


愛しくて




何よりも    誰よりも    好きだった。






あの 夏の日   無邪気に交わした  約束が  ふと蘇る。


・・・いつか私と・・・結婚してくれる・・・?』
・・・・・結婚?』
・・・・・・うん。その別に大学卒業してすぐとかじゃなくて、将来的にね・・いつか
結婚できたらいいなって・・・やっぱり・・・・嫌・・・
・? 』
・・・・・・いいよ、結婚しよう・・・・。』







私の手の届かない場所へと  彼は行ってしまった。




何も告げず   何も残さず




ただただ 苦しみと戦い続け、


最後には  戦い抜いて   



私の手の届かない場所へと  永遠に行ってしまった。









Sail away


砂浜に手をつき、声を上げて  泣いた。





涙はとめどなく  溢れ続ける。




行かないで


行かないで



行かないで




『・・・・・・・・』
詩織?どうかした?』
『・・・・いや・・・やけにあっさり返事したから・・・・』
じゃあ、誓おうか?』
『・・・えっ?』
瀬戸一哉は、藤谷詩織を永遠に愛します。』
・・・・・・一哉
詩織は?誓ってくれないの?』
『・・・・そ、そんなこと言ってないじゃない・・・』
『・・・・・藤谷詩織は・・・・・・瀬戸一哉を・・・・・永遠に愛します・・・・・』
よくできました(笑)』
また~人をからかって~・・・(笑)』
からかってないって(笑)詩織・・・・?』
?』
・・・・愛してる・・・・ずっと・・・これからも・・・・永遠に・・・詩織だけを
愛してる・・・

私も・・・愛してる。ずっとずっと・・・愛してる・・・・。』




子供のような 真似事の


小さくて  ささやかな誓いの中で  見せた   彼の笑顔が



今も心を離れない。



20歳。  あの時、私達は   あんなにも    無邪気に


永遠というものを  信じていた



















声にならない声を




心の中で   叫び続ける。



時として愛は無慈悲なもので

自分がどれだけ  苦しい状況になっても

遠い異国の地を踏んでいた 私を思い、気遣ってくれた


その優しさと   強さに    心が痛む。



君を打ちのめす波に出逢っても










『・・・・何も知らなくて・・・・何もできなくて・・・・・力になれなくて・・ゴメン・・・・・・ゴメンね・・・・・・・・・・・・・・・』





Sail away


溢れる 涙もそのままに


彼の苦しみと   これからという時に  病に倒れ  言葉では言い尽くせない 

悔しさや辛さを   ふと思う。



独りきり  月に 照らされた者は

それと同時に 彼の微笑みや  力強さ、 優しさを思い出す。




そう、こんなにも  彼は私の中で 鮮明に今も生きている。



誰より生きる力を胸に秘め





ゆっくりと 顔をあげれば、変わることなく



波が穏やかに   夜の月に照らされて   輝いていた。

Keep on
You got to keep on walking

求め合い 愛し合い  奪い合い  与え合う





そして  ひとつの事実に気づく。



  彼への確かな想いと





その存在の大きさに。








あなたが、この胸の奥深くに 居続ける限り






私はきっと生きていける。


Keep on
You got to keep on walking
ここからは連れて行けない
レクイエムが叫ぶ








『・・・・・大丈夫だよ・・・・・もう泣かないから・・・・・。』



涙を拭い、そっと囁いて  小さく深呼吸をすれば


夜風が運んできたのか






ほんのりと潮の匂いがした。






もっと強くなるから、と心の中で囁いて




その一言を   囁いた。




『・・・・・ありがとう一哉。あなたに会えて本当に良かった・・・・・・・』


詩織は1人じゃない。どんな時だって、俺は・・・詩織の傍にいるから・・いつだって
詩織を助けるから・・俺は詩織の味方だから・・それだけは忘れないでほしいんだ



あなたの言葉を思い出すとき  そこには確かな幸せがあったと実感する。


あなたの微笑みを思い出すときそこには確かな愛があったと痛感する。






あなたとの事は 過ぎ去ったことばかりで


今では全てが悲しく思えるけれど
そうじゃないこともあなたが教えてくれた。




あなたの時間は止まったままで


私はそこから先をこれから先も 生きていくけれど



これからもずっと不器用な私を見守っていて下さい



あなたに向ける 言葉は ただひとつ。



『・・・・永遠に愛してます・・・・・・』



詩織・・・・愛してる・・・・・・・


『・・・・・ありがとう・・・・一哉』



もう一度、そっと囁いて




月の光に照らされ 輝く




その海に   



最後まで  強くあり続けた  彼を重ね合わせて



そっと微笑んだ。



永遠の誓いをした  あの日のように・・・。



Fin
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# by yuna-sos-0305 | 2008-06-20 18:54 | 小説

『身毒丸』DVD


4月に観に行った、舞台『身毒丸』のDVDが昨日発売になり、
予約してたアマゾンから届きました♪



昨夜は時間がなくて、最初の方をちょこっと見ただけだったのですが
4月に舞台を観に行った時の感覚と興奮が蘇ってきました。
藤原君の、デビュー作品でもあり、初舞台ともなる記念すべきこの作品を
一度でも、この目で見れたことを今は嬉しく思っています。




明日からは、赤坂ACTシアターで舞台『かもめ』が。
そして7月5日からは出演映画『カメレオン』が公開という事で
しばらくの間、藤原君づくしの日々が続きそうです(笑)




しばらくの間、放置状態だったこのブログですが
これから、少しずつでも 更新して行きたいと思ってます。


まぁ・・・マイペースで頑張ります(笑)





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# by yuna-sos-0305 | 2008-06-19 20:31 | 藤原竜也

買っちゃいました♪


某、通販サイトで・・・・・






買っちゃいました♪






スヌーピーの回転ラック
(分かりづらいですが・・・・)
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# by yuna-sos-0305 | 2008-05-26 20:22 | 日常

熱い・・・・


首が熱い・・・・

風邪かな?とも思ったけど、熱を測ってみたら、36度・・・・

私は平熱が35度台なので、自分にしてはある方なんですが・・・・

でも、これ以外に風邪の症状はないしなぁ・・・・。



やっぱり、冷えピタかな・・・・(笑)
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# by yuna-sos-0305 | 2008-05-06 16:26 | 日常

pasco&永谷園



食べ物系のCMに弱いです(笑)


最近だと、映画『かもめ食堂』のリンクCM、pascoの超熟のCMにたまらなく
食欲をそそられます(笑)

小林聡美さんがCM内で作るパンがまた美味しそうなんですよね~。


他にも永谷園のお茶漬けのCMなど、とにかく人が美味しそうに食べているCMは
たまりません(笑)ケンタッキーなど、ファーストフードのCMも衝動的に食べたいっ!
って思ってしまうんですよね(笑)



それだけ、食というものは、人の生活に密接してるという証拠ですね。
いや・・・・もしかして私がCMに弱いだけ・・・・・・(笑)?
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# by yuna-sos-0305 | 2008-03-02 22:40 | 日常

好きです。


藤原竜也くんが好きなんて、livedoorやアメブロのブログでは
恥ずかしくて言えませんが(笑)かなり、好きです。
と、言ってもまだハマって、1ヶ月も経ってませんが(笑)

3月から彩の国さいたま芸術劇場にて
彼のデビュー作となった『身毒丸』の公演が行われるのですが、4月に見てきます。
初の生・藤原君です(笑)

楽しみだ。

楽しみや熱中できることがあるって幸せですね♪
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# by yuna-sos-0305 | 2008-02-19 22:23 | 藤原竜也

海の彼方


「容態は安定しているので、明日には退院できますよ。」
柔らかな笑顔を浮かべると、医者は部屋を出て行った。
「ありがとうございました」

部屋を去っていく医師に頭を下げ、その姿が完全に見えなくなると
悠子はベットで眠っている紗雪を見つめた。

小さく溜息をついたと同時に ノックの音が響き
1人の男が顔を覗かせた。

「・・・・大丈夫でしたか?」
「・・・・ええ、明日には退院できるそうです。」
「そうですか・・・それなら良かった・・・」
悠子の言葉に男は安堵の溜息をつくと、部屋を去ろうと踵を返した。
「・・・・それじゃ、俺はこれで・・・・」
「・・・あの・・・・」
ふいに声を掛けた 悠子に男が視線を向ける。

「・・・良かったら少しお話できないかしら・・・?」

・・・・・・・・・・

「・・・村上さんでしたっけ・・・?本当に今日はありがとうございました」
丁寧に悠子が頭を下げると、村上ははにかんだ笑顔を見せた。
「・・・いえ、自分は当然のことをしただけですから・・・」
「・・・・でも驚いたわよね、突然海の中に飛び込むなんて・・・」
「・・・・・・・・・・」

短い沈黙の後、溜息をつくと 悠子は静かに語り始めた。

「・・・・・あの子が今回みたいな事をしたのは初めてじゃないんです・・・」
「・・・・・え・・・・?」
その言葉に 村上が顔を上げると、そこには
悲しみを称えた 悠子の瞳があった。

「・・・・中学の時と、小学生の時も何度か・・・・・本人もそうしようと思ってる訳じゃなくて・・・何かこう、衝動的っていうか・・・突発的っていうか・・・」

「・・・・・・何かあったんですか・・・・・・・?」

その 村上の質問に
悠子は  深い溜息をつくと   小さく呟いた。

「・・・・12年前、あの子の兄が、あの海で亡くなったんです・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」

・・・・・・・・・・・・

「兄って言っても、私達夫婦は再婚で、主人は亡くなったあの子の兄を、私はあの子・・・紗雪を連れての子連れでの再婚でした。年が離れてるせいもあって、主人の息子は紗雪を本当に可愛がってくれて・・・・あの子の兄は・・・息子は昔から少し身体が弱かったみたいで、本人もそれを気にしてました・・でもそれ以外は、至って明るくて優しくて素直で・・私にとっても紗雪にとっても良き息子であり、兄でした・・けど、17歳の夏に・・・息子は・・・・自ら命を絶ちました・・・紗雪を海に連れて行って・・・紗雪と離れたほんのわずかな隙に・・・・」

何かの映画のストーリーを聞いているようだった。

淡々と、時に切なく語られる その出来事は
いやおうなしに 村上の心を完全に支配していた。

「・・・・・もしかして・・・・」


村上は、その事実を裏付けるように、悠子を見つめた。

「・・・あの子は・・・紗雪は・・・見てたんです・・・息子が海に入っていくのを・・本当の兄のように慕ってましたから・・・・紗雪はまだ5歳でした・・けど、兄がいなくなってしまうことを咄嗟に気づいたんでしょう・・溺れるのも構わずに、怜の・・息子の後を追って海に入っていったんです・・・偶然にもそれを見ていた方に助けられてあの子は一命を取り留めました。・・・ですが、息子の遺体はどれだけ捜しても結局見つかりませんでした・・・・私達、家族としてはどんな状態であっても、家に連れていってあげたかったんですけど・・・・・。きっと、紗雪は・・あの子は自分を責めてるんだと思います・・・目の前で兄が亡くなっていくのを、どうすることもできなかった自分を責めてるんだと・・・一緒にいながら、何もすることができなかった。けど、自分は兄より先の人生を生きていかなきゃならない・・・そう思うと、やりきれないんだと思います・・・・」


「・・・・・・・・・」

目の前で 淡々と語られる

ひとつの事実を
村上は静かに受け入れていた。

「・・・突発的な事でしたから・・・息子が何を思って、あんな行動に出たのか、今でも分からないんです・・・なぜ、紗雪と一緒に行った海で・・紗雪に傷を残すようなことをしたのか・・・・・運ばれた病院で、目覚めた時、あの子・・・・言ったんです。「お兄ちゃんのこと助けてあげられなかった・・悪いのは私なんだ」って・・・。5歳の子がそんな風に感じてたなんて・・よほど辛かったんだろうなって思いました・・・・・・」


「・・・・ごめんなさい・・・こんなこと言われても、困るわよね・・」

そう言って、天井を仰ぐ  悠子のその瞳には
うっすらと 涙らしきものが 浮かんでいた。

娘にとって  そして自分達、両親にとって
かけがえのない息子の 突然の死。

亡くなっていく者と
あとに残される者。


どちらが辛いというならば
それは、確実に  あとに残される者の方だと村上は感じていた。

残された者は  どれだけ時が経とうとも

亡くなった者への 想いと 想い出に支配され続ける。

その心を完全に支配する。

忘れることが 前に進む一歩だと 誰かから聞いたことがあった。

けれど 忘れらない苦しみも 忘れることができない悲しみも
あるのだと ふと思う。

「・・・・なんだか、あなたには全て話してもいい気がして・・・。ごめんなさいね」

「・・・いえ、こちらこそ、みず知らずの俺なんかに、そんな大切なこと教えてくださって・・・」

そんな 村上に 悠子は静かに微笑むと 

「本当にありがとうございました」

そう言って 頭を下げた。


静かで 穏やかな時間が そこには流れていた。
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# by yuna-sos-0305 | 2008-01-03 13:09 | 小説

海の彼方


人は何のために生きるのか


その答えを私は 見つけられずにいた。





亡くなっていくものより、あとに残される者の方が

遥かに   悲しく  切ないことも    この十数年で知った。











今は亡き 兄の姿を    





私は追い続けていた。









・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「あら・・・どこか出掛けるの?」



娘・紗雪の姿を見かけると、母親の悠子は声を掛けた。




「南と買い物。テストも終わったらからって、南が誘ってくれたの」
「・・・そう・・・楽しんでらっしゃい・・・」
「・・・・・お父さんは?」
「・・・・昨夜、遅く帰ってきたから、疲れてまだ眠ってるのよ」
「・・・そう、じゃあ・・行ってきます」
「・・・・行ってらっしゃい、気をつけてね」


娘の姿を見送ると、 悠子は小さく溜息をつき
リビングへと戻っていった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「何か、私の買い物に付き合ってもらっちゃった感じでごめんね・・・?」



買い物を終え、いきつけのカフェで紅茶を飲みながら、小さく笑った。

「別にいいって。欲しかったんでしょ、その夏物。」
「うん。やっとバイト代入ったからさ、よかったよ売り切れてなくて」
「・・・良かったね」


南の言葉に  紗雪は小さく微笑むと 紅茶を啜った。





「・・・・・大丈夫?」


「・・・・えっ?」





気がつけば   南の真っ直ぐな瞳が自分を見つめていた。






「・・・・紗雪、最近元気ないから・・・・・」





十数年前、   紗雪の身に起こった出来事を

唯一 知っているのも 幼稚園の頃から一緒だった 南だった。









この季節が 訪れると






胸に    兄と過ごした日々が  沸々と




湧き上がってくるような気がするのは  







気のせいだろうか。






「・・・・・・紗雪・・・・?」

「・・・・・ゴメン。何でもない・・・・。」





これ以上、南に心配をかけたくなくて

紗雪はゆっくりと椅子から立ち上がった。


「・・・・ちょっと、用事があるの思い出しちゃって・・・ゴメン、帰るね」
「・・・・そっか・・・・、ごめんね何か今日は強引に誘っちゃって」
「・・・・・・・ううん、嬉しかったよ。また明日、学校でね」


そう言って その場を立ち去ろうとする

紗雪を  南の声が呼び止めた。



「紗雪」




無言のまま、紗雪は振り向いた。


「・・・・・その・・・・うまく言えないけど・・・・辛い時は言ってね・・・・。」





南の心からの言葉に







そっと笑顔を浮かべると  紗雪はその一言を口にした。






「・・・・・・ありがと・・・・・・」















・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



七里ヶ浜。







腕時計で  時間を確認すれば


時刻は4時半を回るところだった。




赤く染まった 夕焼けが    ゆっくりと海の彼方へと沈んでゆく。










兄が亡くなったのも  またこの海だった。






本当なら   この場所にいることはできない。








けれど   こうしてこの場所に  佇んでいられるのは








未だ   自分の心を占領している  悲しみを









その波と共に   さらっていってくれる  









そんな気がするから。












兄が亡くなったのは  今の自分と同じ年齢の時だった。






あと1年もすれば、自分は兄の年齢を超えてしまう





兄が生きれなかった人生を 生きてゆくことになる。






その事実に   紗雪は  心がしめつけられる想いだった。











その優しい微笑みが好きだった。









温かな声が








大きな手が








透き通るような  瞳が









兄を彩る、その全てが好きだった。


















兄・怜は    






この海に      消えていった。














「どんな時でも、紗雪の傍にいるから」










ふと、兄の言葉を思い出し、







胸が詰まる。







涙が溢れていく。

















どうして私は生きているんだろう















そんなことを思ったら、






自然と走り出していた。










「・・・・・・・お兄ちゃん!!!」












兄が好きだった   そして兄をさらった その海の中に


飛び込んでいく。
















海の中に入れば    兄の気持ちが分かると思った。







けれど、紗雪を襲うのは 初夏にはまだ早い  水の冷たさだけだった。












「・・・・・・・・・・・・・・・おいっ!!」









中ほどまでくると、足がつかず


溺れていく感覚があった。












背後から   誰かの声と  身体を掴もうとする感覚があった。














もう、   どうでもいいと思った。



















薄れゆく、意識の中で


今は亡き、兄の幻想を見た  そんな気がした・・・・・。
















・・・・・・・・・どうして私を置いていったの・・・・・・・お兄ちゃん・・・・・・・・

















next・・・・
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# by yuna-sos-0305 | 2008-01-02 22:34 | 小説

愛しき者


愛しき者








「うっわ~小っちゃいな~」

彼女の傍らで 眠る生まれたての命に目を見張る。


「・・・・抱いてあげて・・・・?」

「うん・・・・」

彼女の言葉に頷き、ゆっくりとその小さな体を両手で抱き上げる。


すやすやと 眠りにつく その寝顔はまるで天使のようで


思わず胸が 熱くなる。


「・・・・初めまして・・・今日から僕が君のパパだよ・・・よろしくね・・?」



いつのまにか 瞳に浮かんでいた涙もそのままに


守るべき 大切な 宝物をまた1つ手に入れた


その 嬉しさに 涙が溢れた。


「これから・・ずっと・・どんな事があっても・・守っていくから・・・」


誓いの 言葉を 囁いて


ベットに横たわる 彼女にそっと微笑みながら


「・・・俺たちの天使・・・産んでくれてありがとう・・・」


そっと 呟いた。


「・・・・私こそ・・・ありがとう・・・薫と出逢えて・・この子を産む事が
できて・・本当に良かった・・・・」

そう言って 涙に声を滲ませながら 微笑んだ。


「これからは・・・家族3人一緒だよ・・・・」


**********


眠りにつく その頬をそっと撫でる

じっと 寝顔を見つめれば

「麗羅・・眠った・・・?」



そっと彼女が近づいてくる。

「うん・・ぐっすり眠ってるよ・・・」


短い沈黙の後


「本当・・・よく眠ってる・・・」

囁くような声が耳元に届いた。


ふと顔を上げれば そこには麗羅を見つめる穏やかな彼女の眼差しがあった。



その 美しさに ふと息を飲む。



「・・・・・・」



「・・・・・・・薫・・・?」



突然 黙り込んだ 俺を 見つめながら 彼女が呟く。


「・・・・ん・・・?」



「どうかしたの・・・・?」


不思議そうな 表情を浮かべる彼女に微笑みを向けると俺は言った。


「・・・幸せだなって・・・・今、こうやってここに・・俺と紫穂梨と麗羅と

居れて幸せだなって・・・・」


「・・・・薫・・・・」


その頬に 触れながらそっと呟く


「ほんと俺は世界一の幸せ者だよ・・」


そして 穏やかな眠りについている 麗羅を見つめながら呟いた。


「ずっと守っていくから・・麗羅のことは俺たちが守るから・・・だから・・

これからよろしくな・・・?」



「薫・・・・」



そっと その穏やかな声が耳元に届く。



「ん・・・?」



「私も・・私も幸せよ・・・こうして薫と出逢えて、麗羅を産んで・・こうやって

家族3人で一緒に居られること・・本当に幸せc0042410_0483147.jpg・・・」


その 微笑みを 見つめれば


恋に 落ちた瞬間に  戻りそうなほど


彼女のその 微笑みはあの日のままで。



この 幸せを何と表現したらいいのだろう。



ただひとつ 言葉にするならば



「愛しき人は あなただけ」。



【あなたに出逢えたこと】


これが俺の全て そして俺たちの全て・・



午後の 日差しが差し込む部屋の中


そっと その身体を抱き締めて



その耳元で 呟いた。



「俺も幸せだよ。紫穂梨・・・愛してる・・・」




瞼を閉じるその日まで


永遠に一緒に生きていこう・・・・・。
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# by yuna-sos-0305 | 2007-12-30 22:26 | 小説

生麺・・・


てっちゃんはインスタントの生麺をそのまま食べるそうです(笑)


突然すみません。


何の話かと言いますと、先日 ゴスのラジオ番組にゲストとして出てくれた
SOYSOULのZOOCOさんがご自身のブログで明かされてました。

何でもゲストとしてスタジオに行った際、ZOOCOさん自身が大好きな
インスタントの煮込みうどんをリーダーに差し入れたそうです。
そしてリーダーは、ZOOCOさんにお礼を言うと、なんとそのまま袋から生麺を
取り出し、食べ始めたそうです・・・(ワイルド・・)


ZOOCOさん自身、リーダーがいろいろな意味で普通ではないことは知っていたそうですが(笑)生麺をそのまま食べてしまったリーダーに・・・そしてそんな光景を目の当たりにしたことに驚きを隠せなかったと明かしていました(笑)


いや~、このZOOCOさんのブログを読んだ時は、本当笑いました(笑)
私もインスタント麺は好きですが、さすがにそのまま食べたことはないです。
おかしのベビースターラーメンぐらいなら、分かりますが、あの堅い生麺を
そのまま食べてしまう、てっちゃんって・・・・・
大好きなゴスペラーズのリーダー、てっちゃんをまたひとつ垣間見た気がしました(笑)
ちなみにZOOCOさんは、ご飯にレモンをかけて食べるそうです(笑)
(これもまた、ある意味ワイルドな・・・・笑)
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# by yuna-sos-0305 | 2007-12-16 11:02 | ゴスペラーズ

HAPPY BIRTHIDAY


HAPPY BIRTHIDAY





その温かな笑顔が いつまでも輝き続けますように。












その歌声が、いつまでも多くの人の心に届きますように













またひとつ年を重ねて






ゆっくりと   けれど    確実に   前進していく












あなたを    これからも   ずっと応援しています。











酒井雄二さん、お誕生日 おめでとうございます。
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# by yuna-sos-0305 | 2007-10-05 00:15 | 日常

久しぶりに・・・・


ヤス、Birthday小説の代わりに こんなものが出来上がりました(笑)

ゴスの曲の中でも初めて、『ひと聴き惚れ』した 大好きな曲を題材にした短編です。

曲を聴きながら、読めばちょっとは雰囲気出るかな・・・?なんて(笑)
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# by yuna-sos-0305 | 2007-08-18 13:28

風をつかまえて





不思議なものだと思う。
1年前まで名前も知らなかった君と会えるのを 
今は待ち遠しく感じている自分がそこには居た。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・






『レコーディング終わったら、透子ちゃんに会いに行くんでしょ?』

楽譜をまとめていた黒沢の元に安岡が笑顔で話しかけてくる。

『うん・・・会いに行くって約束したから・・・・』
『そっか・・・。でもアーティスト冥利に尽きるんじゃない?』
『え?』
『透子ちゃん。彼氏から一方的に別れを告げられて泣いてたとき、ラジオから流れてきたのが永遠にで、次の瞬間には黒ポンの歌声に惹かれたなんてさ・・・それこそドラマじゃん(笑)』
『いや・・・その・・・まぁ・・・・』
仲間の言場に 照れくささを感じながら 返事を反す。

『・・・まぁ、でも明日でレコーディングも終わりだし、良かったじゃん。これで心置きなく、透子ちゃん迎えに行けるね』

優しげな 笑顔を浮かべながら 安岡はそっと微笑んだ。


『ああ・・・そうだな・・・・』



『今度さ、透子ちゃん、紹介してよね?黒ポンばっかり、あんな美人な子、独り占めなんて、俺、許さないんだかんね(笑)?』


安岡の言葉にはいはい、と笑いながら 黒沢は
明日に迫った透子との再会に想いを馳せていた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




同じ頃、沖縄に居る透子は受信したばかりの黒沢からのメールを愛しそうに見つめていた。

『From 黒沢薫

subject 透子へ・・・
「透子へ 
いよいよ明日、透子に会えると思うと、嬉しい気持ちを抑え切れなくて今日もまた村上に怒られたよ(笑)でも、《透子に会える》っていう気持ちが、純粋に今の俺を動かしてて、明日本物の透子に会えるまで、俺はこの想いを糧に沖縄に向かうと思う(笑)
でも本当に人生って不思議だよね、1年前まで俺は透子の名前さえも知らなかったのに、偶然流れてきた、曲によって透子が俺の歌声を聞いてくれて・・・こうやって1年経った今、東京と沖縄。距離的には離れてるけど、俺と透子は繋がってる。確かに俺は透子を・・・透子は俺を(・・・感じてくれてる?ちょっと心配・・・(笑))感じてる。1年前で他人同士で、もしかしてあの曲が・・ラジオから流れなかったら、今の俺達はいなかったはず・・・
そう考えると、とても不思議だし・・だけど運命的だなって思うんだ・・・・。そういえばレコーディングでいい曲ができたんだよ。ヤスがね、歌詞を書いてくれたんだけど・・・なんていうか・・・はっきり言って今の俺たちじゃん?みたいな(笑)そんな感じの曲でさ、
明日、会えたときに、生で歌ってあげるからさ、楽しみにしてて?東京はあいにくの天気が続いてるけど、沖縄は天気いいんだろうな~・・・明日、こっちを2時発の便で立ちます。たぶん3時ぐらいには着くと思うから・・・だから・・・あの海岸で待ってて欲しい・・・・・・
薫 PS もう・・・離さないから・・・・・」』

  
                                                         
『薫・・・・・・』



黒澤の確かな想いを感じ、透子は携帯電話を静かに胸に抱きしめた。


きっかけは1年前 1曲の曲だった。

高校時代から付き合ってきた彼からの、突然の別れ。
悲しくて 辛くて 1人 部屋で泣いていた時

ラジオから流れてきた 男性の歌声。

それが黒澤の歌声であり、ゴスペラーズの『永遠に』だった。

運命的とも思える出会いが、出会いを呼び1年前の夏、透子は自分の悲しみを癒してくれた、その歌声の持ち主
黒沢と出会い、恋に落ちた。
そして運命的な出会いから1年・・・
気がつけば、黒沢との再会が明日に迫っていた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

『黒ポンは?』
『うん、さっき30分位前かな?空港に行ったよ』
『そう・・・』
北山は優しく微笑むと、椅子に腰を下ろした。
『でもさ、1年ぶりの再会なんて、なんか織姫と彦星みたいだよね(笑)』
クスクスと笑いながら、安岡は手にしていたボールペンをくるくると指で回した。
『去年、黒ポンと透子ちゃんが初めて会った時のこと、覚えてる?』



いたずらな笑顔を浮かべながら、訊いてくる安岡に北山は小さく笑いながら言った。
『覚えてるよ・・・・』




よく通る、温かさを秘めた声、
そして何よりもその笑顔が 透子の脳裏に蘇っていた。
波の音が心地よく、耳に響き渡る。
優しげな笑顔が 沈んでゆく夕日に眩しかったことを覚えている。
そっと腕時計で時間を確認すれば、時計の針は3時をもうじきでまわるところだった。
<あの海岸で待ってて>
黒沢からのメールの言葉を思い出し、胸が高鳴る。


そっと深呼吸をして、その名前を呟いてみる。

『薫・・・・・』











短い静寂の後、


その声が 響いた。

『・・・ただいま・透子・・・』





ゆっくりと振り向けば その優しげな笑顔が輝いていた。




溢れる涙もそのままに 駆け出して その胸に飛び込む。

『・・・っ・・・薫・・・会いたかった・・・・』






背中にゆっくりと回される両腕の感覚さえも 嬉しくて また涙が溢れる。

『俺も会いたかったよ・・・透子・・・っていうか、タクシーの運転手さん、急かして
飛ばさせて来ちゃった(笑)』
『え・・・?』
『・・・・・・・【大切な人を待たせてるんです、だから1分1秒も遅れたくないんです】って・・・そう言ったら、タクシーの運転手さん、“そりゃ大変だ!“って言って、すっごいスピードで飛ばしてくれてさ。かなりスリルだったよ~(笑)』


透子の黒く、長い髪を優しく撫でながら黒沢はそう言って微笑んだ。
『薫・・・・・』

『北山にも、“もうこれ以上、黒ポンの大切な透子ちゃんを待たせちゃいけないよ“って言われてさ・・・』
『・・・・・』
『まだ1年だけど・・まだ始まったばかりだけど・・・やっぱり俺には、透子が必要なんだ・・・だから・・・・』
『・・・・・薫・・・・・』
『・・・・一緒に生きてゆこう・・・・・?』
『・・・うん・・・・』



言葉にすれば消え去ってしまいそうな想いを
幾つ胸に抱えただろう

言葉にしたら溢れそうな想いを
幾つ この胸に感じただろう・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



『おい・・黒沢はどうしたよ?』
『あ、リーダー。』
事情を知らない村上に 北山は優しく微笑みながら言った。
『黒ポンなら沖縄に行きました。なんでも、透子さんに会ってくるんだそうですよ?』
『はぁ?沖縄。なに考えてんだよ、黒沢の奴。おい、電話しろ、電話。すぐに戻ってくる
ようにあいつに伝えとけ!』
『・・・・』
『・・・・あ?安岡・・なんか言ったか?』
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

『・・・・・ん・・・・・』
『・・・・・どうしたの?』
『・・・・何か携帯が・・・・・』

そう言って黒沢はジーンズのポケットから携帯を取り出した。
ディスプレイには【新着メール】の文字。

『・・・・メール・・・?』
『そうみたい・・・・』
不思議そうに 携帯を覗き込んでくる透子を愛しく思いながら黒沢は慣れた手つきで
携帯を操作していく。


『黒ポンへ
1年ぶりの沖縄はどう?
さっきリーダーに頼み込んで2日間、黒ポンのことオフにしてもらったから
気兼ねなく楽しんできてね~★安岡&北山 P.S. お土産話、楽しみに待ってるね(笑)』


『・・・あいつ・・・・・』

仲間からの思いがけないメールに思わず笑みがこぼれる。

『・・・・どうかしたの?』

『いや・・・2日間オフになったから楽しんで来いって安岡の奴が・・・(笑)』

その言葉に彼女の顔が輝く。

『本当!?』

『うん。透子はどこか行きたいところとかある?』

透子を見つめながら そっと彼女の白く、小さな手を握る。

『・・・・薫と一緒だったらどこでもいい・・・・』

そう言って 柔らかく 微笑む彼女が  これ以上ない程に 愛しくて 恋しくて

『・・・・・透子・・・・・』

彼女の言葉に 愛しさがこみ上げる。
そして 胸に感じる  これ以上ない程の  喜びと  確かな幸せ。


『・・・・じゃあ・・・今日はずっと離さないから・・・・・・』
『・・・・・薫・・・・・・』

そっとその瞳を見つめながら  頬に触れる。






『・・・・・愛してるよ・・・・透子・・・・・・』

『・・・・・私も・・・愛してる・・・・・・・・。』

波の音を  感じながら  そっとその唇に口付けて

その身体を抱き寄せた。

気がつけば   沈んでゆく夕日の眩しい程の煌めきが 
2人を包んでいた。






『・・・・・もう・・・離さないから・・・・・。』


願いのような  誓いを そっと耳元で 囁くと

黒沢はもう一度、 透子の その唇に優しく口付けた・・・。







涙も 寂しさも その全てを  今 受け止めて

確かな絆を胸に この日々を生きていく

この季節の中で 生まれた 確かな想いをそっと胸に抱きながら

その微笑に 触れて

確かな 『今』を あなたとともに  生きてゆく・・・・・










Fin

・・・・・・・・・・・・・・・・

『From 安岡優

subject 緊急連絡


「黒ポン、ゴメン!さっき、オフになったから楽しんできてって言っといて悪いんだけど、
すぐ、こっちに戻ってきてくれないかな・・・?その、仕事の方はね、全然大丈夫なんだけど・・・そのなんていうか、俺が大丈夫じゃないっていうか・・・ぶっちゃけ言うと
リーダーが・・・そのヤバイっていうか(汗)・・・ご立腹・・・みたいな(苦笑)?今日、
酒井さん他の仕事で戻ってきてないし、頼れるの黒ポンだけなんだよね・・・・だから
あの・・・透子ちゃんとのせっかくの再会を引き裂くようで申し訳ないんだけど・・
とにかく至急戻ってきてくれないかな?・・・・・返事待ってるね・・・・・?安岡」


『From 北山陽一
Subject ゴメンね。

『ヤスからメール行ったと思うんだけど、・・・そういうことなんで戻ってきてくれないかな?・・・1年ぶりの再会に水を差すようで申し訳ないんだけど(苦笑)俺とヤスだけじゃ、もう駄目なんだよね、ハッキリ言って(笑)なんか、もう手がつけれないっていうか
・・・・そんな感じ(笑)?・・・・だから、その黒ポンさえ大丈夫なら戻ってきて
・くれると嬉しいです。・・・ゴメンね?なんか俺・・肝心な時に役立たずで(苦笑)
とりあえず、返事待ってます。北山』











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# by yuna-sos-0305 | 2007-08-18 13:18 | 小説


いつも その力強い 歌声で





ゴスペラーズを  導いてきた     てっちゃん。









その温かな笑顔と












優しい歌声で    私達ファンを   魅了し続けてきた    人











結婚した事を 知った時は     








ファンとして少しばかり複雑な思いも芽生えたけれど・・・












ゴスペラーズの『村上てつや』ではなく、







1人の人間、1人の男性、『村上哲也』として 幸せを掴んだんだなぁ・・・と思うと






とても素敵だな・・・・と思いました。











守るものや、大切なものができるって、とても幸せなことだなと・・・・。












これから  始まる    新しい生活の中で














その笑顔が   いつまでも









輝き続けますように・・・・・。












これから始まる毎日が










幸せに溢れたものでありますように











そして   何より大切な物を  手に入れた  その強さと  温かさで












これからも   私たち  ファンを  ずっと  ずっと









魅了し続けていって下さい。















あなたの幸せを








心から  願っています。












いつまでも  末永く  お幸せに・・・・・・。
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# by yuna-sos-0305 | 2007-06-17 18:51 | ゴスペラーズ

深夜2時。


深夜2時。

どうしても 彼の声が聴きたくなって、電話の前に座りこむ。

「もう、寝てるよね・・・・・」

そう呟いて、自分の気持ちを抑えようとすればするほど、彼への想いは膨らんでゆく。

静かに時を刻んでゆく時計の音だけが、真夜中の寝室を静かに包んでいた。

壁時計に目をやって、電話を見つめて、溜め息ついて。
そんなことを何度か繰り返した後、思い切って電話を取った。

緊張を隠せない自分とは裏腹に指は確実に彼へと繋がる
電話番号を叩いてゆく。


TRRR・・・・・・・


耳元に響くコ-ル音

1回・・・・・・・




もう寝てる・・・・・?




2回・・・・・・・・・






まだ仕事中・・?






3回・・・・・・・







家に帰ってないの・・・・・・?







そんなことを思いながら、彼が受話器を取ってくれることを期待して息を潜めて、
その声を待つ。

誰よりも愛しい声を・・・・・。

10回以上のコ-ル音が鳴り、もうやめようと思ったその瞬間


「・・・・・・・はい・・・・・・・・」

誰よりも









愛しい










その声が









確かに 私の 耳元に響いた。


「て・・・・・・っちゃん・・・・・・・?」


「・・・・・・どうした・・・・・・?」

真夜中の彼の声は、いつも聴くより、少し掠れていて それでいてハスキ-で。
その声がひとつひとつ言葉を発するたびに、私の胸はどうしようもなく高揚して
しまう。
それほど彼の声に自分は惹かれていることに改めて気が付く。

「ごめんなさいこんな時間に・・・・・・・・・」


「・・・・・・・別に構わねぇよ・・・・・まぁ、これが安岡とかだったら、すぐに
叩き切るけどな(笑)」




電話越し、小さく笑った彼の声にそっと微笑むと



その言葉を呟いた。






「声が聴きたかったの。てっちゃんの声が・・・・・・」


深夜2時


月の光に照らされて、少し遠い あなたとの距離を埋める夜。






愛しくて










恋しくて









あなたへと






堕ちていく・・・・・・。
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# by yuna-sos-0305 | 2007-06-11 23:28 | 小説

This New Morning


「んぅ・・・・?」



久しぶりの休日





互いの体温を背中越しに感じながら






深い深い眠いからゆっくりと目覚めていく。







「薫~?・・・・」





そう言って名前を呼べば 返事のように





握り締めていた薄いタオルケットが微かに引っ張られる。





どうやら まだ  夢の中と格闘している様子。






ゆっくりとベットから身体を起こして






その寝顔を覗き込めば






少年のような 安らかな表情を 浮かべている。







不安も    心配も    何も知らない子供のように










いつもは お互いに 忙しい身の上だから







多少の 眠気を我慢しても 









セットした目覚ましが 鳴り出す前に 起き出して








朝のコ-ヒ-を煎れる。







パジャマ姿のまま、 2人ベットに寄り添って







温かいコ-ヒ-を啜る。






それが いつもの習慣。








けれど   久しぶりの休日で 彼も仕事がOFFになると






時間なんて気にせずに ふたり ひとつのベットで






意識も身体も目覚めるまで ベットの中に潜ったままで。












そっとその寝顔に触れて その柔らかな 口唇をなぞれば





いつもとは 少し違う 性急で熱かった 昨夜の彼を思い出す。






「・・・ちょっと頑張りすぎちゃったかな(笑)・・・?」





小さく微笑んで その頬にキスを落とすと






ゆっくりと ひとりベットから抜け出した。




*****************


いつもより少し遅めのシャワ-を浴びて



自分だけのために  コ-ヒ-を煎れる。




コ-ヒ-をゆっくりと啜りながら


まだ幾分か 目覚めていない頭で今日1日の予定を考える。




「今日1日なにしようかなぁ・・・・」





本音を言えば  久しぶりの休日




彼と2人どこかに出掛けたかったけれど






2人きりで過ごす 久々の休日だからこそ







2人ゆっくり過ごすのがきっと一番いいのだろう。





「よしっ、決めたっ!!」




勢いよく 椅子から立ち上がれば






「詩織~?どこ~??」






深い眠りから目覚めたのか 愛しい彼の声






「薫~?今日は、一気にお洗濯とお掃除するから手伝ってね?」




「・・・・・・」



「・・・・どうしたの・・・・?」




「いやぁ・・どうせならカレ-作りたいな~って思ってさ(笑)」





「言うと思った(笑)じゃあお昼は薫が作ってくれる?」




「もちろん!任せてよ、とびっきり美味しいカレ-作ってあげるからさ(笑)」





「はいはい、楽しみにしてます(笑)」




今日彼と過ごすこの1日が幸せなものでありますように・・・・




Good Morning・・・・・
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# by yuna-sos-0305 | 2007-05-08 00:24

愛に濡れて・・・・



「珍しいね、突然・・・どうしたの・・・?」


深夜の 突然の来客に  驚きながらも


笑顔を向ける。



「・・・立ち話もなんだし、上がりなよ・・」




「・・・・・・・うん・・・・」




いつもとは  どことなく 様子が違う彼女に




ふと何かを感じ取りながら






平静を装って  キッチンへと足を運ぶ。




「・・・コ-ヒ-でいいよね?」



「・・・・・優・・・私・・・・・」



「美味いコ-ヒ-入れてあげるから・・・待ってて・・・?」



「・・・・・・・・」





彼女が言おうとしていること





その言葉を





その事実を






受け入れたくなくて







あえて 話題を逸らす。







何て勇気のない男だろうと、自分でも思わずにはいられない。




けれどこれが自分の姿なのだ。




自分本来の姿なのだ。





分かっていることはただひとつ







彼女を失いたくない    










ただ それだけ。





********************




出来上がったコ-ヒ-を来客用のティ-カップに丁寧に注ぎながら




トレイに乗せ 彼女が待つリビングへと運んでいく。





「はい、お待たせ。安岡優特製ブレンドコ-ヒ-。な~んちゃって(笑)」






「・・・・・・・・・・」







時計の針が時間を刻む音だけが 部屋の中に響き渡る。








「・・・・・・・もう分かってるんでしょ・・・・?」






そう言って 僕を見つめる彼女






「何・・・・?」







分かっていた。  諦めなければいけないことを。









「・・・・・・・・・・・」







寂しさを埋め合うように 抱き合っていても





幸せにはなれないのだと






「・・・・・・終わりにしよう・・・・・私達このままじゃ駄目なんだよ・・・


お互いが前に進んでいくためにも・・・幸せになるためにも・・・・・・・


さよなら・・・しよ・・・・?」





「・・・・・・・」






「・・・・優・・・・」







「・・・・・やだよ・・・・・・」







「・・・・・・優・・・・・・」






「なんで・・・別れなきゃいけないんだよ!!なんで別れる必要があるんだよ?


今までのままでいいじゃんか!!ずっと今までのままで・・・・」






「無理よ!ずっとこのままで・・・このままでなんかいられない!!いられる

わけなんかない・・・・・」




そう言って 僕を見つめる彼女の視線が 心に突き刺さる。







「・・・じゃあ理由を教えてよ?どうして俺達別れなくちゃいけない?


俺はこんなにも真尋が好きなのに・・・真尋を必要としてるのに・・・」





彼女の腕を掴み そっと  耳元で囁く。



短い沈黙の後



彼女が ゆっくりと けれど落ち着いた声で言った。




「・・・・じゃあ・・・優は止めてくれるの・・・・?」



「・・・・・・え・・・・・?」




気がつけば  彼女の左薬指に エンゲ-ジリングが輝いていた。






そしてそれは  じき夫になる彼の仲間と 彼女との愛を示す



何よりの証拠でもあった。







「・・・・・・・・・・・・・・・」








「・・・プロポ-ズ・・・されたんだ・・・・」







「ごめんなさい・・・早く言わなきゃって・・ずっと思ってたんだけど・・」








「・・・・・・よかったじゃん・・・てつならきっと幸せにしてくれるよ・・


ああ見えて、女の子にはすっごい優しいからね~(笑)」








「・・・・・ゆたか・・・・・・・」









「・・・・・・・・・・っつつ!!!!!!!早く行けよっっ!!!!!!!



もう俺は必要ないんだろ!?だったら・・・・いつまでもこんなとこいないで



早く行けよっっ!!!!!!!!!!」







そう言って 膝を抱え 彼女とは反対方向を向けば




ゆっくりと  彼女が出ていくのが分かった。





けれど 視線はいつまでも 部屋の方を向いたまま。






心なしか




「ごめんね・・・」と 彼女が囁いた気がした。









ゆっくりと顔を上げ






息を吸いこむ。






涙を 拭えば






彼女に 言いたかった   けれど 言えなかった





一言を囁いた。








「・・・・・本当に愛してたよ・・・・・・・」









いつも失うものは




大切なものばかりで




けれど  その大切さも  分からずに





失ったあと    その重さや尊さに  気付く





そしてもう2度と戻らない 失ったものに




想いを馳せる




fin
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# by yuna-sos-0305 | 2007-02-25 19:38 | 小説

遥かな夢


『彼を・・・あの人を私に下さい』

私がいつもそう願ったところで 夢は途切れる。

まるで現実を突きつけるように 私を目覚めさせる。

静かな部屋に響くのは ゆっくりと時間を刻む時計の音だけ。

現実の夢の 儚さを感じながら そっと呟く。

『バカみたい・・・・』

けれど想いは止められなくて 
次の瞬間、頬に流れ落ちる涙を認識する。



自分から手放したはずの 温もりを

もう一度欲しがっている 私はなんて



愚かだろう


『てっちゃん・・・・・』

そっと呟いたとき、テ-ブルに置いてあった携帯が鳴った。

ゆっくり手に取り、通話ボタンを押す。
『・・・・・もしもし・・・・・』







『・・・・悪りぃ。突然電話なんかして・・・・・』

耳元に広がったのは 優しい彼の その声だった。

『・・・・・・・・・』

『・・・・お前の声が急に聴きたくなってよ・・・』

離れていた 年月を感じさせないように 彼はそう言って電話口、小さく笑った。


まだ微かに残っていた涙をそっと拭いながら

ゆっくりと呟いた。

『・・・私も・・・私もてっちゃんの声が聴きたかった・・・・・』

色褪せた夢に

もう1度、ふたりで
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色をつけていこう



あなたともういちど、巡り会えることを夢、見ていた・・・。


Fin
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# by yuna-sos-0305 | 2006-10-25 23:05

確かなもの


10/5 誕生日。

仕事終了と共に、なだれ込んだ黒沢宅にて パ-ティは始まった。
いつものことながら、男5人、なんだかんだと テ-ブルの上に用意された
ビ-ルや料理に手を伸ばしながら

それでも 目が合った その瞬間に
さり気なく 『おめでとう』と祝いの言葉を掛けてくれる仲間達に
これ以上ない 嬉しさを感じる。

絶えない笑い声と、温かで幸せな微笑み。



『これ食べて、これ!3時間もかけて作ったんだよ。ねっ?美味いでしょ?』
『酒井さんも、34かぁ~・・・そろそろ腰据えたら?な~んてね・・・(笑)』
『お前も・・・34か・・・。どうよ、ここは1つ、セクシ-を極めてみねぇか(笑)?』





気が付けば 時計の針は11時を回っていて
意識を手放していないのは、北山と俺の2人だけだった。
仲間の心地良い寝息を 感じながら
村上がプレゼントしてくれた バカラのグラスに
北山がスコッチを注いでくれる。
『・・・・疲れただろ?今日はいろいろありがとな。』
『いえいえ、どういたしまして。どう?またひとつ年を重ねた感想は?』
『ん~・・・・まぁ、“精進します”ってところか・・・(笑)』
『・・・・うん、でも仲間の俺から見ても、いい年の重ね方してると思うよ?
雄二は。なんていうか、すごく真っ直ぐでさ。時々、すごくうらやましくなる(笑)』
『北山でも、ないものねだりなんてあるんだな(笑)?』
『そりゃあ、僕も人間だからね(笑)』
テ-ブルの上に出されていたナッツをつまみながら 酒井はゆっくりと呟いた。
『でも、ここまで来て、つくづく村上や北山達が仲間でよかった・・ってそう思うよ。』
『本当に?仲間冥利に尽きるな(笑)』
小さく笑いながら 北山はスコッチを啜った。
時計の針が時間を刻む音だけが 静かな部屋の中に響いている。


『でもさ・・・本当は、一番『おめでとう』を言ってもらいたい人がいるんじゃないの?』
北山の言葉に  自分の本心を見透かされたような気がして
酒井はそっと頭を掻いた。

『・・・おまえには・・・かなわないなぁ・・・・(笑)』
『そりゃあ、もう10年以上も一緒に過ごしてきてる訳だし・・・なんていったって
仲間ですから(笑)』

『あぁ・・・全く、おまえには降参だ(笑)』

笑いながら 席を立つ。

『本当に今日はありがとな・・・。』
『うん、俺も楽しかったよ。』
『あと、これどうする?』
そう言って、北山がバカラのグラスを持ち上げる。
『あ~・・・。黒沢に言っといてくれないか?また後で取りに来るからさ。』
『わかったよ、伝えとく。』
『じゃあ、本当ありがとな?』
『いえいえ。』

北山の笑顔に見送られながら、1人、歩き出す。
夜空を見上げれば、 小さな星が微かに輝いていた。
こんな都会でも 星を見れることに少し嬉しさを感じながら
約束の場所へと足を向ける。

*********

歩き始めて、15分

いつもの場所に、彼女はいた。

『あ、主役登場(笑)』
そう言って クスクスと笑いながら
俺の元へと駆け寄ってくる。
『すまん・・・遅れた。』
『ううん・・・村上さん達と一緒だったんでしょ?』
『ああ、もうここぞとばかりに“飲め、飲め”ってもう大変だったよ・・(笑)』
『それはそれは、お疲れ様です。』
『北山に言われたよ、“一番おめでとうを言ってもらいたい人がいるんじゃないの?”ってさ・・・。本当、あいつには参るよ・・・(笑)』
俺の言葉に 彼女はゆっくりと微笑むと
その柔らかな口唇で呟いた。

『お誕生日 おめでとう・・』

柔らかな微笑と共に 紡がれたその言葉。

肌寒いと感じていた 身体まで何故か温かさを帯びてくるように感じられた。

『・・・ありがとな・・・。』
『・・・うん。』

幾分か 寂しそうな表情の彼女の頬をそっと包み込む。

『雄二・・?』 

『また少し離れたけど・・・待ってるからさ、早く追いつけよ。』

その長い髪を撫でながら、そっと微笑む。

『うん・・・・。』

『・・・さて、これからどうしますかね?』

手を握りながら、彼女を見つめる。

『ウチ来ない?小さいけどケ-キ用意してあるの。一緒に食べよ?』

『それは頂いておかないとな(笑)っていうか・・・未央・・たしかダイエット中じゃなかったか・・・?』

『・・・・もう。そういうことだけはしっかり覚えてるんだから・・・。いいの!
今日は雄二の誕生日なんだから。』

『・・・はいはい(笑)』

かけがえのない 仲間達。そして何よりも大切な愛しい人。

温かな優しさを 与えられて

また 俺は生きていく。

とめどなく流れていく この時間の中で

確かな『何か』を掴む為に。

そして 確かな 自分の証を残す為に。

10月5日。
俺が生まれた この日に
心からの感謝を。
そして何よりも大切な仲間と 
こんな俺を優しく見守ってくれる 愛しい人に 今 ささやかな誓いを・・。



fin



 


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# by yuna-sos-0305 | 2006-10-07 12:52 | 小説