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by yuna-sos-0305
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第11話 

今夜のライブも成功のうちに終わった。
会場内を埋め尽くす観客と共に歌い、笑い 涙する。
当たり前だと思っていた事が とても新鮮に感じられたり
ひとつひとつ起こる出来事を 愛しく感じる。

観客と味わった、ライブでの喜びを胸に抱きながら
次の会場地へと足を運ぶ。
ツア-はまさに人と人との巡り会いの繰り返しだ。
様々な人達から力を貰いながら
自分達の歌声を待っていてくれている人達の元へと足を運ぶ。

運命は不思議なもので それまで恋や愛とは無縁だった俺に
思いがけない出会いをもたらしてくれた。


「お疲れさまです。みんなは?」
ツア-中の足とも言える、4WDに乗り込みながらぼんやりと外の景色を
眺めている村上に声を掛ける。

「そのうちくんじゃねぇの?」
視線は外に向けたまま、煙草の煙を吐き出しながらけだるそうにそう呟く。

「燃え尽きたんですか?らしくないですね。」

「バ-カ。そんなんじゃねぇっつ-の。ゴスペラ-ズの村上てつやだぜ?
まだまだ夜はこれからだろ?」
そう言ってニッと笑顔を浮かべると、また外の景色を眺め始めた。

「それこそリ-ダ-ですよね」
窓の外に視線を向ける村上にそう言って
残りのメンバ-が来るのを待った。

「メンゴメンゴ、黒ポンが携帯なくした!って言い始めてセンセとずっと探しててさ
もうへとへとだよ~」
額に汗を浮かべながら安岡がそう言って車に乗り込んできた。
「ったくおせえっつ-の」
「ゴメンゴメン、俺開演前ずっとあちこち移動しててさ、それでどっかに無くした気が
しちゃったんだよね~後でお店についたらビ-ル奢らせて貰うからさ。」
「それで結局携帯はどこにあったんですか?」
「黒ポンらしいっていえばらしいですけど・・・(笑)」
いつの間に乗り込んできたのか、北山がそう言って言葉を切った。


「実は鞄の中にあったんだよね・・・・・」

黒沢がそう言った瞬間、車内を笑い声が包んだ。


「遅れてすみません、じゃあ出発しましょう。あれ・・・何か楽しそうですね?
何かあったんですか?」

ゆっくりと走り出した車の窓ガラスを いつの間にか降り出したのか
雨が濡らしていく。 

全てのものを包むように 浄化するように

雨が街を包んでいた。
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by yuna-sos-0305 | 2005-01-28 19:42