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第14話 

ライブから数日後、真尋はクリ-ニングの出来上がったジャケットを見つめながら
酒井から手渡されたメモをぼんやりと眺めた。

そこには
酒井の名前と携帯番号が書かれていた。

「連絡して下さいって・・・ことだよね・・・・」
自分自身に確認するかのように、そう呟く。

テ-ブルに置かれている携帯を取り上げ
また呟く。
「・・・・この番号にかけたら・・・繋がるんだよね・・・」
正直、現実味など何もなかった。
数日前のライブ同様、全ては夢のようで
気がつけば 彼と出会ったことも ステ-ジで輝いていた笑顔を間近で見たことも
全て幻を見ているような そんな感覚だった。

けれどジャケットを彼に返せば、それで終わり。
期待するような事は何もないことも分かっていた。
「何、考えてんだろ・・・・・」
そう言って自分の考えに小さく笑ってみても
現実は否定できない。


「会えたことだけでも感謝しなくちゃね・・・・」
そっと呟く。
もう十分に夢は見させてもらった。ステ-ジで歌う彼らから
短いけれど、小さなそして幸せな夢を見させてもらった。
もう十分だ。
また彼らに会えることを願って 私は現実の生活に戻ろう。
そう決意して。
真尋はメモに書かれた番号をゆっくりとプッシュした。

あの透き通るような彼の声を思い出しながら・・・・。
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by yuna-sos-0305 | 2005-01-29 18:30